令和7年度プロジェクト研究費申請公募について
認定分科会代表者 各位
会 長 住友雅人
平素は本学会会務運営に格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
さて、本学会では、例年同様に令和7年度事業計画において、「歯科医療への学術的根拠の提供」を重点的に取り組むべき事業と位置づけ、進歩発達を遂げた歯科医学、医術を歯科医療現場に迅速に導入することを目的に、標記プロジェクト研究事業を企画、実施いたします。
プロジェクト研究事業は、学術的かつ高度な研究結果を診療報酬改定時の新技術保険導入のための一助とすることを主眼としております。歯科医療を変えるcutting-edge研究や新たな先進医療への導入に繋がる研究、基礎的研究の成果を臨床に応用するための橋渡しをするトランスレーショナルリサーチ等についても選考対象といたします。
本事業の趣旨をご理解いただき、下記の研究テーマに基づく研究課題をご申請いただきますようお願い申し上げます。
テーマA:イノベーションロードマップ第Ⅱ期・ネクストステージに向けて
歯科医学会が2020年に発出した歯科イノベーションロードマップ2040は、発出から5年が経過した。これは、日本歯科医学会に所属する多くの学会の貴重なデータから作り上げられた、根拠の強い目標である。2040 年でのアウトカムを見据えた目標ではあるが、マイルストーンを立てて経時的に示している。そしてそれは、柔軟に見直すことが重要であると同時に、オープンイノベーションでもある。オープンイノベーションであるので、既存の学会のテリトリーに拘らない、学会を横断した共同研究があってほしいと考えている。
そこで、今年度はこのイノベーションロードマップ第Ⅱ期(2026〜2032)に向けて、このマイルスートンの見直しや各学会の垣根を超えた次のステージに相応しい研究を求めるものである。
なお、研究テーマ趣旨を踏まえ、研究内容がイノベーションロードマップの内容に絡めることを条件とする。
テーマB:次世代の仕掛け・医療シナジーを考える
DXの加速度的進化が起きている中、医療界においても情報の在り方、持ち方、共有方法、伝達などにおいて、一定の方向性を示す必要である。また、患者自身が、自身の健康情報を記録・管理するPHR、医療機関で取得した診療情報を、医療機関間で共有・連携するHERなどのプラットホームが確立されつつある中で、その活用方法は未だ実現されていない。
一方で、医科歯科連携の必要性が求められているものの、本格化がすべきところであるが、その実現には様々な障壁があるように見える。加えて、地域包括ケアシステムにおける多職種と協働した包括的な対応も同様である。
そこで、プロジェクト研究Bは、「次世代の仕掛け・医療シナジーを考える」と題し、医療機関の連携、多職種を含む医療従事者の連携、患者との連携などで、高い効果や成果が得られる何らかの仕掛けを提案できる仕組みやシステムの研究を求めるものである。
テーマC:歯科医療のドライブのために~フレームワークの検証と再構築
既存の検査法、診断プロセス、治療法の評価、データの活用方法等を検証、再検討することは、医療を効果的に、かつ安全・安心を基本に進めることは非常に重要である。
また、歯科界全体の常識とされていたことを、一旦立ち止まり、見直す必要はないであろうかと考える機会も必要と思われる。
日常の小さなシステムは、PDCAが働いていると思われるが、全体となるとそう簡単なことではない。
そこで、プロジェクト研究Cは、「医療のドライブのために~フレームワークの検証と再構築」と題し、歯科医療のコンテンツを検証し、再検討を行い、所謂フレームワークを再構築し、歯科医療のドライブ化を図るための研究を求めるものである。
<研究期間>
令和7年8月1日より令和9年3月31日<研究費用>
総額2,000万円以内(2テーマ・2年度分の合計額)<締め切り>
令和7年6月30日(月)<申請書および各種報告書様式等>
・令和7年度プロジェクト研究費応募要領.pdf・令和7年度プロジェクト研究テーマ及び趣旨.pdf
・プロジェクト研究費申請書様式.docx
・日本歯科医学会COI自己申告書(英文または和文).doc
・配偶者、一親等内の親族、または収入・財産を共有する者の申告書(英文または和文).doc
令和6年度
テーマA:
技の保存・master craftsmanship management
・XR技術を応用した口腔外科手術スキル学習支援システムの開発
【研究担当学会/研究代表者】
日本口腔外科学会/山内健介
(東北大学歯学研究科)
・匠の技を継承する革新的な支台歯形成デバイスの開発
【研究担当学会/研究代表者】
日本補綴歯科学会/窪木拓男
(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科インプラント再生補綴学分野)
【研究担当学会/研究代表者】
日本口腔衛生学会/財津 崇
(東京科学大学歯科公衆衛生学分野)
テーマB:
加速度的に進むデジタルデンティストリー~デジタル用語の整理と統一化を目指す~
・歯科医療におけるデジタル用語集の作成
【研究担当学会/研究代表者】
日本デジタル歯科学会/大久保力廣
(鶴見大学歯学部口腔リハビリテーション補綴学講座)