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日本歯科医学会について/ご挨拶

学会長ご挨拶 6・7月号

住友 雅人:写真画像

第25回日本歯科医学会学術大会の始動  ~ニュー・ニューノーマルを目指して~


 国内のコロナウイルス感染症患者数が急激に減少してきました。COVID19として戦慄的な流行が始まったときには、一部の科学者が、出口が見えるのは3年先だとか変異株が次々と現れることがその収まりを示す兆候だなどと、さまざまな流行性感染症の歴史から推測していました。そこに治療薬、治療手段、予防ワクチンの展開、自分自身の防御意識の向上が加味されて、現状に至っていることはどなたも理解されているでしょう。ニューノーマルという名のもとに、この数年の間に私たちの日常も急激に変化しました。
 私が関係する歯科の学術大会もその影響を逃れることができませんでした。現在、46ある学会分科会では、これまで学術大会と同時開催されていた理事会などの役員会で、学会会長懇談会をさせていただくのが恒例のことでした。私にとってこの懇談会は、学会の最新の活動状況をお伝えしたり、分科会の生のご意見をいただけるよい機会で、いわゆる学会シーズンには、毎週のように各地に出かけて多くの方々と対面交流をいたしました。ところがこれらの分科会行事が軒並み中止、延期、オンライン開催になり、出向く機会はほとんどなくなりました。最近になってようやく、復活の兆しが見えはじめています。私を含めてみなさまの気持ちの中にも、いわゆる対面形式の重要性をあらためて認識した結果とおもいます。
 2022年6月3日に開催された日本歯科医学会第108回臨時評議員会における冒頭のご挨拶では『日本歯科医学会第108回臨時評議員会はオンライン開催となりました。日本歯科医師会堀 憲郎会長にはこの会議室でご挨拶をいただきます。本日のご出席に感謝申し上げます。この開催様式がコロナ禍でのニューノーマルといわれて既に2年半がたちます。みなさま方におかれましてはメリットとデメリットを感じられているでしょう。不思議なことにデメリットと思っていたことが考えようによればメリットであったり、またその逆もあります。とにかく自分がおかれている状況によってころころ変わります。きっとポジティブにとらえるかネガティブにとらえるかによっても、違ってくるのでしょう。デジタル社会が苦手ということももちろん影響します。この会館のオンライン対応の設備もかなり充実してきました。みなさま方の周辺もそれなりにオンライン対応を進めておられると存じます。それでも世の中は対面の方向に向かっているようにも思えます。とにかく二つの選択肢を持ったことはよいことですが、審議の内容によっては選択が難しい場合がありえます。この評議員会も然りです。会議内容を整理し、様式を選択するマニュアルの作成が必要だと感じています。とにかくオンラインへの移行期でなく個々の選択期ととらえて対応してまいります。そこで、事務局にはその選択の判断において苦労を掛けています。もちろんみなさま方にも、お仕事のご予定をはじめ交通や宿泊の手配などでご面倒をおかけすることが考えられます。とにかく第108回臨時評議員会は限定した役員のみが日歯会議室に集合し、多くの理事、評議員はオンライン出席となりました。スムーズな進行に努めますのでご協力のほどよろしくお願いいたします。後ほどの会長報告で学会事業に関するお話させていただきます。以上を会長挨拶といたします。』と述べました。
 この挨拶で触れたように、オンライン会議で主催者が難しさを感じるのが、審議題の決議方法です。出席者数が多い場合は、電子投票方式の採用で解決されますが、問題もあります。現状では出席者の顔認識システムによる本人確認などには対応できていません。モニター画面上での目視確認も簡単ではありません。そこで本人が投票したという信用は、いわゆる紳士協定(いまや死語か。紳士・淑女協定も今日では適当でないでしょう)によります。学会の役員選挙をオンラインで行うとなれば、もう今から検討が必要です。日本歯科医師会会長予備選挙は郵便投票を採用していて、これにも紳士協定が存在します。透明性を保った、しっかりした準備が必要なのですが、これは言うほど簡単ではありません。
 さて、学会最大の事業ともいえる第25回日本歯科医学会学術大会の大会三役が決定し、いよいよ具体的な準備がスタートします。4年ごとに開催する学術大会は、学会だけでなく日本歯科医師会の大規模な事業項目です。第25回学術大会は2025年9月26日から28日にパシフィコ横浜で開催されることは、4年以上前に会場確保とともに決定しています。
 ところで、学術大会会頭は学会会長が担当する、という学術大会規程の条文があります。昨年9月開催の大会は、当時の学会のあり方検討協議会からの答申を採用し、日本歯科医学会と日本歯科医師会が主催することとし、学会会長である私が会頭を担いました。2025年開催の第25回日本歯科医学会学術大会に関する諮問事項については、現在の学会のあり方検討協議会から、令和4年3月31日付で答申がありました。この答申内容を学会の四役協議会で協議して、第25回学術大会はこれに基づいて開催することに決定しました。学術大会の会頭は日本歯科医学会規程、第22条4項に基づくという答申内容から、現会長が、委嘱する候補者を理事会に諮ることになりました。
 そこで私は、会頭としてふさわしい人物像を多面的に考え、委嘱者として、現日本歯科医学会副会長で、第24回学術大会の学術部会長として活躍された川口陽子先生を提案させていただき、理所の日歯会員からということで、現神奈事全員の賛成を得て決定しました。さらに学術大会の準備委員長、事務局長は会頭が指名するという答申に基づき、準備委員長には、前日本補綴歯科学会の理事長で、現在、明海大学の臨床教授である大川周治先生が、事務局長は診療川県歯科医師会専務理事の西郷 巖先生が川口先生から指名されました。日本歯科医学会学術大会の開催は学術大会常任委員会と準備委員会が主体的に準備しますが、参加者の主体は、もちろん日歯会員であり分科会会員であります。ですから事務局長は、日歯会員からの学術大会への希望を反映するとともに、日歯会員の参加を推進する役割も担います。ちなみにお二方とも、第24回学術大会の学術部会のメンバーでした。
 第24回学術大会は全面オンライン開催でしたが、初めからオンライン開催で企画し準備した訳ではありません。開催1年前にやむなくオンライン開催に踏み切ったとはいえ、それは、何とかこの学術大会を開催しようという積極的な逆転の発想を込めての変更でありました。しかし結果的に、ここで示した新様式が各地の歯科医師会や多くの分科会の学術大会開催に活用されたことは間違いありません。第24回学術大会終了後には、大会参加者だけでなく日本歯科医師会会員を対象にしたアンケート調査も行い検証をしました。
 2025年がどのような社会状況になっているか予測はつきませんが、オンライン開催の特徴を把握した第25回学術大会では、今後の学術大会のあり方を準備段階からはっきり示すことができます。、みなさんの意見を取り入れた素晴らしいものとなることは間違いなく、今後の学術大会開催様式の方向性を示すことも可能です。もちろん様式だけではなく、その中身も、これからの歯科界が進む方向性をしっかり示すものになることは言うまでもありません。
 とにかくこの第25回学術大会に注目していただき、できるだけ多くの方々が参加し、そこで学んだものを社会に発信するとともに診療の現場で発揮して、国民の健康維持、増進に貢献していただくことを願っています。
 次の目的も「2040年にむけての健康寿命の延伸への挑戦」なのですから。

令和 4年6月13日



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