日本歯科医学会について/ご挨拶
学会長ご挨拶 4月号

新たな日本歯科医学会事務局の誕生
日本歯科医師会の新年度は職員人事からはじまりました。今回の大きな変更は、これまで事業部学術課・日本歯科医学会事務局となっていましたが、これが学術課と日本歯科医学会事務局に分かれたことです。
私が日本歯科医学会の総務理事と副会長の役職だった2006年から2011年までは、学術課と日本歯科医学会事務局はそれぞれ独立した存在でした。学会事務局には常勤5名が配属されていました。それが2013年4月に日本歯科医師会が公益法人化するに先立って、一年前の秋に統合されたのです。同年7月に私が学会会長に就任した時は戸惑ったものです。全7名の職員にはそれぞれ業務担当があり、必要に応じて、基本1.5名程度が学会業務を併任するという体制から始まりました。初期には、当時の総務理事が、所属大学の教室員に学会幹事として協力をお願いしていました。
その後、次々と新しい事業が始まり、職員には学会業務も積極的に担当していただきました。最大目標であった法人格を有する学術団体の創設、新病名「口腔機能発達不全症」誕生の火付け役となった重点研究委員会の活動、医療技術評価提案書の収載率の向上、英文誌のインパクトファクターの付与、そして2回の学術大会の開催など、これらの諸事業は職員の多大な協力なしには、決して成し遂げることはできなかったと思います。
この4月から、まずは4名の職員(5月から5名体制)で日本歯科医学会事務局活動が開始しました。彼らは、公益社団法人日本歯科医師会事務局組織規程施行細則の一部改正において、第5条の2に示されている十五 日本歯科医学会に関する事項、十八 所管諸会議に関する事項をつかさどることになります。具体的にはこれまで通り、以下のような事柄を私たちとともに推進します。
▽定款第 43 条に基づく学術研究の運用
▽日本歯科医学会規程第 2 条に明記されている事業の運用
一 歯科医学に関する科学及び技術の進歩発達に関する事柄
二 学術大会開催に関する事柄
三 専門分科会及び認定分科会への助成
四 専門分科会及び認定分科会間の緊密な連繋
五 日本歯科医師会会長の諮問に対する答申又は建議
六 その他学会の目的を達するに必要な事柄
2013年7月の学会会長就任当初から多くの事業を展開してきましたので、職員には過大な負担をかけました。4月1日以降職員は、学会業務に専任し、現執行部2年任期の1年目まで進んでいる事業の取りまとめに従事します。学術課に配属された職員もその業務に専任していただけるようになります。3月中に業務の引き継ぎが終わりました。それぞれの担当分野での活躍に期待しています。
今回の学術と学会の分離については心配する声もありますが、事業目標の明瞭化、仕事内容の分離による業務の集中など、職員にもわかりやすいものになります。私としては、以前の状況に戻ったのではなく、新たな日本歯科医学会事務局の誕生ととらえています。言い換えれば学会のこれまでの事業活動を母体である日本歯科医師会に評価していただき、組織としての活動をより集中的に行える体制を作っていただいたと理解しています。ありがたいことです。日本歯科医学会に所属する25の専門分科会と21の認定分科会とで、日本歯科医師会をさまざまな形でサポートして歯科界の活性化を推進して参りましょう。
狸に関する話の続き(本当の話)
学会長ご挨拶の2月号で交通事故に遭った狸の話を紹介しました。その後についてのお問い合わせが少なからずありました。3月の早朝と夕暮れ時に3度出会いました。なんと2匹で行動していて、仲良く森に戻っていきました。ひょっとしたら小狸を連れた姿を近いうちに見かけるかもしれません。その時にはまた報告します。
令和 4年 4月 1日
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