日本歯科医学会について/ご挨拶
学会長ご挨拶 新年号

「年末年始のステイホーム」
2022年が始まりました。私には末尾の1と2とでは感じが違います。1が第1走者とすれば2は地盤を固める重要な役目の第2走者です。それは正月二日三日の箱根駅伝で学びました。昨年は第24回日本歯科医学会学術大会が開催されました。この大会の炎は2040年の目的達成のために今年も燃え続けます。
すでにご紹介したことですが、わが家の東側はかつて、ゴーカートのレース場やモトクロスの練習場で知られた広いテーマパ-クでした。後日、温泉も湧き出て、若者からお年寄りまで楽しめるさまざまな施設が揃っていたのです。それでもいつのまにか時代の流れについていくことができなくなり2009年9月30日に閉館されました。跡地利用はいろいろ取りざたされましたが、いまだに空き地のままです。しかし私たちが引っ越しして来た42年前には、パークに隣接した家々に無料の入場券が配られ、温泉もご近所優待料金で利用でき、夏には頭の上で盛大な花火がさく裂したのです。半世紀の時を経て、温泉に向かう道路はまるで原生林のようになり、子どもたちが出入りした裏門への山道には雑草が生い茂り、昔の面影はどこにもありません。この裏山の斜面で子どもたちが草ぞりや雪ぞり遊びをしていたことなど覚えている人も少なくなりました。冬が来る前には草刈りが終わってかなり上の方まで登ることができるのですが、少子高齢化が進んだためか人影も見えません。近くには貯水用地もありました。いまだに柵で囲われているその跡地へと続く階段が、今は私の運動場となっており、朝な夕なに鳥の声を耳に、層々と連なる碧山を目にしながらオリジナルの運動メニューをこなしています。
昨年の大晦日、夕暮れ時にその運動場から浅川にかかる橋を眺めていると、街路灯のオレンジや車のライトに交じって、赤や青の灯が目につきました。見ていると、青の灯が橋の先端からずっと先の大きなビルに向かって連続して帯状に変わっていきます。わずかな時間ですが青い灯の川ができるのです。そして今度は赤の灯の川に変わります。こだわりのある性格は新年を待ちました。なぜかというと、道路の交通量がお正月に激減するからです。特に車の走行が少ない早朝はチャンスです。青と赤の信号灯の流れが街路灯の間を進んでいきます。1㎞ほどの信号灯の流れですが、夕闇のころや夜明け前、私にとって新しくうれしい時間ができました。本来は、その信号灯の流れを楽しむための時間設定ではなく車の流れをスムーズにする時間設定であり、その動きを楽しむ者へのサービスとは思えませんが私にはうれしいプレゼントです。おかげさまで、よいお正月が迎えられました。
お正月といえば、アマチュア無線を趣味とする私にとって、正月休みは車の交通量も減り、イグニッションノイズが少なくなり、普段はこのノイズに埋もれてしまうような遠くの無線局もピックアップできる楽しみがありました。ところが最近は正月でもノイズレベルが普段と変わりません。外気は澄んでいて、臭いからでも間違いなくい交通量は減っているのに下がらないのです。このノイズレベルが下がらない原因は、いわゆる生活ノイズです。とりわけコンピューター制御が主となる家庭の電化製品からは、多くのノイズが出ています。もちろんわが家もコンピューター制御だらけです。おそらく、古くからラジオやオーディオを楽しんできた方々はこの現象に気づいておられることでしょう。これを遮断する方法は種々あるとはいえ、個人では限度があります。これもステイホームにはじまるさまざまなニューノーマルの生活様式の産物の一つなのでしょう。ウイズノイズの時代です。
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2022年 1月 4日 16時59分撮影 青信号が点灯中 |
2022年 1月 5日 5時45分撮影 青信号が点灯中 この時間帯は信号の切り替え時間が短く設定されているようで、同色の帯が見られるのほんの瞬間であった。 |
令和 4年 1月 5日
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