日本歯科医学会について/ご挨拶
学会長ご挨拶 平成30年新年号

戌年に想う人と犬とのコラボ
新年おめでとうございます。
今年は戌年です。戌年の年賀状の特徴は愛犬の写真を使っているのが多いでしょう。イヌより人気の出ている猫のほうは十二支に登場しないだけに、これだけ多くの年賀状にはなりにくく特徴的な年となりますね。わが家も愛犬のこれまでの写真22枚を年賀状に印刷しました。14歳の彼は今年で2回目の戌年を経験することになりましたので、「ワンワン(11)」に2をかけて22枚としゃれたわけです。全くの自己満足な話ですが。人と犬を偏と旁で組み合わせた「伏せる」という語は人の横に犬が従順に座っているふうに見えますし、猿は智、雉は勇、犬は仁を表わすといわれますので、その「仁」は、人の横で「ワンワン」と吠えているようにも見えますね。
犬を飼うことで心血管疾患や死亡のリスクが低下するとの研究結果が発表されましたhttp://www.nature.com/articles/s41598-017-16118-6「Dog ownership and the risk of cardiovascular disease and death – a nationwide cohort study」。CNN.co.jp(日本語版)でも 2017年11/18(土) 12:18配信のニュースで、この論文内容を伝えていますのでご覧になってください。
確かに申年生まれの私が犬猿の仲であるはずの犬との生活があって人生を楽しむことができています。わが家の愛犬 風(ふー)が家族の仲間入りをしてすでに14年になります。犬種はウイペット。英国でドッグレース用として改良されたそうです。遺伝子に走る宿命が組み込まれていますので、どんな天候でも朝夕の散歩は欠かせません。ほとんど吠えませんのでわが家では「犬の姿をした猫」と表現しています。猫ではない証拠に、昼間も夜もよく寝ており、その姿は癒し犬としては最高です。お蔭さまで身体的にも精神的にも元気をもらっています。
犬型AIロボットaibo™の発売が昨年の秋に発表されました(追記:2018年1月11日11時に販売開始)。これも癒しという精神的な効果を狙った製品と理解しています。近い将来、人型AIロボットが上記の論文のような効果にも大いに貢献するのでしょう。
昨年12月に日本歯周病学会60周年記念京都大会の『歯周病撲滅京都宣言』に参加しました。その記念祝賀会での私の挨拶を紹介します。
「新しい獣医学部設置問題が世間を騒がせていますが、狂牛病や鳥インフルエンザなどに対応する行政で働く若い獣医師は必要ですね。一方、多くのペットが癒しという面から家族の一員となっており、この方面の獣医師も多く必要とされています。ご存知のように犬などのペットは歯周病で悩んでいますが、歯石除去や抜歯治療は高額です。
獣医学部で歯周病への優れた対応法が研究されているようにも思えません。歯科で取り組んでいるこの分野の研究成果が人だけでなくペットも待ち望んでいるのです。
来年は戌年です。人も犬も歯周病から、より一段と解放される年にしてください。大いに期待しています。」
ここでは「獣医学部で歯周病への優れた対応法が研究されているようにも思えません」と十分に調査をしないで言ってしまいましたが、獣医学でも大きな課題になっていると思います。歯周病に効果的な薬剤、治療方法は、今後、獣医学分野とも共同研究が必要でしょうね。
戌年にちなんで犬との暮らしに肩入れをしましたが、常々お伝えしているように小さなサロンから始まるコミュニ―ティーづくりの重要性は言うまでもありません。
よい一年になるように学会も活動してまいります。
2018年 1月 5日
【バックナンバー】