日本歯科医学会について/ご挨拶
学会長ご挨拶 特別号

3期目のスタートで期すること
7月から日本歯科医学会会長として、3期目のスタートです。新しい執行部では、以前にも増し、力を入れてかじ取りを行ってまいります。よろしくお願いいたします。
これまでの2期4年間を振り返ると、1期目の1年間は前執行部からの継続事業を「組織の連続性」の気持ちで臨みました。2年目からは自前の事業計画を立てて、色を出すことに腐心しました。2期目には成果となってきたものや方向性が見えてきたものが出てまいりました。3期目ともなるとこれまで行ってきた事業の集大成が求められます。私は常々、諮問に対しては答申書の作成で終わるのでなく、見える形での成果を求めています。その成果を出すまでに時間がかかるものもありますので、3期目を担当させていただくことはありがたいことです。組織には継続性がありますので、次に続けやすい形にすることやこれからの社会、歯科界の方向性を掴み、萌芽させておくことも必要です。
平成28年4月に一般社団法人日本歯科医学会連合が設立したことにより、日本歯科医学会の事業の方向性がクリアになってきました。別の言い方をすれば立ち位置がよく理解される形になったことです。まずは法人格が必要な事業を切り離すことができました。そして、本来の学術的根拠の確立と収集・分析および発信はもちろんのこと、さらなる日本歯科医師会会員への学術的支援を中心とした事業を展開することになります。
具体的には、現在、常置委員会が担っている英文雑誌と和文の学会誌の発行、そして歯科学術用語集の改訂です。学術研究委員会には「集い」、「プロジェクト公募研究」に一段と力を入れていくことを求めます。そのために、次年度予算ではこれらへの研究費の増額を計画しています。学術講演委員会には、日本歯科医師会、日本歯科商工協会との連携において、単に学術的側面だけでなく、ビジネス面に資する講演会の開催を求めます。
臨時委員会は前期から2つ減らし、13(選挙管理会を除く)としました。5年目に入る重点研究委員会への諮問は「本委員会の過去4年間の実績から、子どもの食の問題に対する対応について指針の作成をお願いする。」としており、歯科医療の検査、診断、治療に展開できる対応指針は、日本歯科医師会に設置された新病名検討ボードにおける『口腔機能発達不全症』の公的医療保険導入に際しての根拠となるでしょう。また「第24回学会総会の在り方検討協議会」は前期の答申で示されたように、主幹校を置かずに、学会長が会頭となり、加入分科会と日本歯科医師会および都道府県歯科医師会の連携のもとに開催するということを基本形とします。この協議会には、運営形態、プログラムの内容などについて全体的な見直しを図り、多くの学会会員が参加する学術大会となる企画を求めています。
加入分科会間の連携体制の強化はこれからも続けていくとともに、全分科会からの協力支援のもとに学会員である6万5千余の日本歯科医師会員にとって益する事業の強化を図る3期目としてまいります。組織の更なる活発な動きはみなさまのご協力、ご支援なくしてあり得ません。大いに期待しています。
2017年7月10日
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