専門分科会代表者
認定分科会代表者 各位
日本歯科医学会
会 長 住友雅人
平素は本学会会務運営に格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
さて、本学会では、例年同様に令和5年度事業計画において、「歯科医療への学術的根拠の提供」を重点的に取り組むべき事業と位置づけ、進歩発達を遂げた歯科医学、医術を歯科医療現場に迅速に導入することを目的に、標記プロジェクト研究事業を企画、実施いたします。
プロジェクト研究事業は、学術的かつ高度な研究結果を診療報酬改定時の新技術保険導入のための一助とすることを主眼としております。歯科医療を変える cutting-edge 研究や新たな先進医療への導入に繋がる研究、基礎的研究の成果を臨床に応用するための橋渡しをするトランスレーショナルリサーチ等についても選考対象といたします。
本事業の趣旨をご理解いただき、下記の研究テーマに基づく研究課題をご申請いただきますようお願い申し上げます。
<研究テーマ及び趣旨>
テーマA「ESGを考慮したエシカルデンティストリー(Ethical dentistry)を目指して」
ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を取った言葉で、投資判断の新たな観点とされている。
一方、エシカル(ethical)とは、「倫理的な」と訳されるが、昨今、この用語は、「地球環境、人、社会に対して配慮された」と言うニュアンスで使われている。
歯科材料の日進月歩は、結果的に患者さんの満足度を上げることが必要である。また、我々、歯科医師は、口腔の健康状態を、諸検査等も用いて、完全かつ正確に診断し、問題点を明確化にして、最善の治療で解決しなければならない。
さらには、患者さんの定期的な通院で、患者さんの口腔の健康状態の悪化を防ぎつつも、過剰な検査・治療を回避しなければならない。そして、使用する材料・検査・治療法で、患者さんに有害な影響を与えてはならない。
また、昨今のトレンドとも言うべきSDGsにおいては、歯科領域での取り組みが少ないことから、これらへの取り組みも緊喫の課題として捉えるべきである。
本プロジェクトでは、ESGを踏まえたエシカルデンティストリーを念頭に、新しい材料、検査法、ガイドライン、DX等で継続的研究の足場となるもの、また、SDGsとして提案できる研究を公募する。
テーマB「アフターコロナのデンタルフィロソフィの変革と再定義」
昨今、企業フィロソフィという言葉を耳にする。これは、企業理念として、企業の在り方や価値観などを明文化したものである。一般的には、創業者の考えをもとに提言され、企業
の哲学やDNAとして不変的に受け継がれるものを指す。
一方、この3年間、我々の業界は、COVID-19のまん延で、診療環境整備、予防対策等を暗中模索してきた。
コロナウイルス感染症2019の5類移行となった今、歯科界もこの3年間の事象を歯科的に検証する必要がある。また、国民のマスク長時間着用による口腔環境の変化、ウィルスの影響、表情変化等、検証すべき事項とともに、今後の、歯科としての対応が多くあると思われる。
本プロジェクトでは、アフターコロナのさまざまな事象について検証するとともに、その対応等、次の新たな感染症に備える研究を公募する。
<研究期間>
令和5年7月1日より令和7年3月31日
<研究費用>
総額 2,000万円以内(計2年度・2テーマの合計)
<申請書及び各種報告書様式等>
・令和5年度プロジェクト研究テーマ及び趣旨.pdf
・プロジェクト研究費申請書様式.doc
・日本歯科医学会COI自己申告書(和文または英文).doc
・配偶者、一親等内の親族、または収入・財産を共有する者の申告書(和文または英文).doc
<その他>
詳細な応募方法等については、令和5年度プロジェクト研究費応募要領.pdfをご参照ください。