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日本歯科医学会 診療ガイドライン作成者意見交換会 開催報告(2016年7月13日開催)

日本歯科医学会 診療ガイドライン作成者意見交換会 開催報告(2016年7月13日開催)

 日 時:2016年7月13日(水) 14:00~17:00

 場 所:歯科医師会館1階大会議室(東京都千代田区)

 参加者:130名

事前抄録および講演スライドは、「診療ガイドライン作成者意見交換会」
(平成28年7月13日)の事前抄録に使用する目的で、日本歯科医学会が執筆・作成を依頼し、作成者の許諾を得て掲載しております。
これらの内容は、作成者の個人的見解を示すものであり、日本歯科医学会の見解を示すものではありません。
引用・転載する場合は、事前に以下まで連絡してください。
日本歯科医学会事務局
jda-jads@jda.or.jp

プログラム

【司会進行】豊島義博

日本歯科医学会歯科診療ガイドラインライブラリー収載部会

(以下「収載部会」)委員

オープニング

開会の辞  日本歯科医学会常任理事  和泉雄一
 主催者挨拶  日本歯科医学会会長  住友雅人

講演1(事前抄録と講演スライドのPDF)
    演題:診療ガイドラインの歴史と現状
    講師:日本歯科医学会収載部会座長,
        京都大学大学院医学研究科教授  中山健夫

講演2(事前抄録と講演スライドのPDF)
    演題:Mindsにおける診療ガイドライン収載の現状
    講師:日本歯科医学会収載部会委員,
        国際医療福祉大学 臨床医学研究センター教授,
        日本医療機能評価機構 医療情報サービス事業部客員研究主幹
        吉田雅博

講演3(事前抄録のPDF)
    演題:医科診療ガイドラインの研修現場での活用と問題点
    講師:東京北医療センター総合診療科医長  南郷栄秀

講演4(事前抄録と講演スライドのPDF)
    演題:Minds2007とGRADEに依ったCPG作成の課題
    講師:特定非営利活動法人日本歯科保存学会医療合理化委員会内設置
        う蝕治療ガイドライン作成小委員会委員長,
        鶴見大学歯学部教授  桃井保子

指定発言:歯科臨床教育現場における診療ガイドラインの活用と問題点
       (講演スライドのPDF)
    指定発言者:日本歯科医学会収載部会委員,
             岡山大学大学院医歯薬学総合研究科教授  窪木拓男
    指定発言者:日本歯科医学会常任理事,
             東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科教授  和泉雄一

意見交換
  登壇者: 座 長 湯浅秀道(日本歯科医学会収載部会委員,
                    国立病院機構豊橋医療センター 歯科口腔外科)
        講 師 中山健夫(日本歯科医学会収載部会座長,
                    京都大学大学院医学研究科教授)
        講 師 吉田雅博(日本歯科医学会収載部会委員,
                    国際医療福祉大学 臨床医学研究センター教授,
                    日本医療機能評価機構医療情報サービス事業部客員
                    研究主幹)
        講 師 南郷栄秀(東京北医療センター 総合診療科医長)
        講 師 桃井保子(特定非営利活動法人日本歯科保存学会
                    医療合理化委員会内設置
                    う蝕治療ガイドライン作成小委員会委員長,
                    鶴見大学歯学部教授)

クロージング

閉会の辞  日本歯科医学会常任理事  和泉雄一

事前抄録集の全ページPDF

質疑応答

意見交換会当日に参加者から提出された質問とそれに対する回答です。
回答は講師の個人的見解を示すものであり、日本歯科医学会の見解を示すものではありません。

Q1. 患者や患者家族にCPGユーザーとなっていただくためには、本邦でも英国のようにCASP活動が必要と考えますが、いかがでしょうか?
A1. CASPワークショップはCASP Japanの方々が年間何回か開催されています。国内で患者さんや一般市民の方々を力づけていく上で、(CASPが唯一、必須ではないと思いますが)私もCASP活動の発展を期待しています(回答:中山講師)。

Q2. 現在でも新規CPGがMinds2007で作成され、世に出されていますが、これについてどう考えられますか?
A2. 本来ならば、望ましくないですが、すでに作成中の診療ガイドラインも存在するため、移行期と考えます(回答:講師全員)。
今後、Minds 2007で作成されているCPGは、GRADEの基準を取り組む方向で見直していくことが良いと考えます。ただ、その際に問題となるのは、GRADEでは作成できなくなる既存の(臨床的に重要な)CPGが出てくることですね。この場合は、SRでの評価を提示するに留めることとなりますでしょうか。(回答:桃井講師)。

Q3. 医療者のCPGユーザーとしての教育はどの段階で行うべきでしょうか?(卒前、卒直後、その後?)
A3. 国家試験の解答とも一致しており卒前から行われるのが理想的だが、現実的には、卒後しばらくからではないでしょうか。卒直後は、術式など覚えることが多く、なかなか身につかないでしょう(回答:講師全員)。
CPGは、現時点で最も信頼できる医学的根拠と患者の意思から成っているのですから、とくに診療参加型臨床実習においては、CPGユーザー教育は欠かせないのではないでしょうか。(回答:桃井講師)。 卒前に一言でもEBMの4要素と診療ガイドラインの位置づけについて、講義があることが望ましいと思います。一通りの臨床科目を学んで、臨床実習に入る前の頃が適当と思われます(回答:中山講師)。

Q4. 医療裁判で、ガイドラインが医療水準の証拠として採用されることもあり、実際の判決に影響しているのが現状ですが、このまま放置せざるをえないのでしょうか?
A4. 望ましい状況でないのであれば、それぞれの立場でできることがあると考えます。ガイドラインが言及されて医療者に不利に働く場合は、コミュニケーションの齟齬が根底にある場合が少なくありません。個々の臨床現場であれば、ガイドラインの内容以上に、コミュニケーション的な課題への対応が必要と思われます。ガイドライン作成にかかわる立場では、法律関係者やメディアとの対話を続けていきたいと考えております(回答:中山講師)。

Q5. 診療ガイドラインの法的問題について
・CPGが判決に決定的影響を与えたと考えられる判例は本邦でどの程度あるか?具体例も含めて説明いただければ。
・英国では同様のことは如何でしょうか?
A5.平成26年Mindsセミナーでの桑原博道弁護士の資料をご参照ください。http://minds4.jcqhc.or.jp/seminar/12/pdf/2_Kuwabara_20141018.pdf
下記の文献では英国でもCPGが司法的判断の基準になりつつあることが述べられており、近況は確認できていませんが、類似の状況が推測されます。
Hurwitz B. Legal and political considerations of clinical practice guidelines. BMJ. 1999;318:661-4. Jones JW. A medico-legal review of some current UK guidelines in orthodontics: a personal view. Br J Orthod. 1999 Dec;26(4):307-24.(回答:中山講師)。

Q6. 診療ガイドラインが傷病・症状単位ではなく学会単位でつくられています。このため、学術的COIの問題があります。(一例をあげれば、歯科薬物療法学会と顎関節学会の顎関節症治療ガイドラインは、学会ごとではなく共同研究班として再構成するようなことはできないでしょうか。歯科薬物療法学会が薬物療法推奨ではあまりよろしくない。)どうお考えになりますか。
A6. その通りと考えます。できる限り、各学会で相談して共同して作られることが望ましいでしょう(回答:吉田講師)。

Q7. 診療ガイドライン作成に当たり、作成方法論者が内部にいるべき、という話ですが、日本に作成方法論者は何人ぐらいいるのですか?
A7. 数名ではないでしょうか。しかし、普及のためのワークショップも行っているので、ぜひ、学会で、そのような人材を育てて欲しいと思います(回答:南郷講師)。

Q8. う蝕治療、GL作成小委員会を34回開催ということですが、1回の開催は数時間単位?まる1回?それとも数日缶詰?
A8. 日本歯科保存学会の学術大会は、年2回(春季・秋季)に全国各地で開催されます。ガイドライン作成委員会は、その大会後に2~3日間合宿状態で行っています。加えて、必要に応じ、講師を招いての勉強会やパネル会議を開催しています。このため、CPG作成は、保存学会の各種委員会活動の中でも、かなりの経費が費やされる活動であり、学会の深い理解と支援なくしては成り立たないと思われます(回答:桃井講師)。

Q9. ガイドラインを作成という立場である一方、日々、臨床研究を行っております。専門としている領域では、めずらしい疾患が主であるため、いわゆるRCTデザインが難しく、臨床報告or後ろ向きが主になることが多いです。今後、ガイドライン作成という立場から、求められるよりよい臨床報告の必要性などについてご教示ください。
A9. できる限り、ベストエビデンスが存在するCQを採用すべきであり、臨床報告しかない場合は、まず、診療ガイドラインの必要性から考えた方がよいと思います。もし、希少疾患で、必要ならば、Mindsのウェブサイトに「『Minds診療ガイドライン作成マニュアル』のMindsからの提言「希少疾患など、エビデンスが少ない領域での診療ガイドライン作成」」が公開されているので参考にして下さい(回答:講師全員)。

Q10. 現在のガイドラインを出している学会等は、今後GRADEでCQを行っていこうとすると、かなりの努力が必要と思います。今後はSRのみでもある程度評価されるのでしょうか?診療ガイドラインは、学会の根幹をなすCQを行って、他はSRでの評価というようになっていくのでしょうか?
A10. SRのみとか、あらたなリサーチの必要性の提言も、学会として、行ってほしいです。ただ、それは、診療ガイドラインとは言いません(回答:講師全員)。
現時点では、GRADEで推奨作成が困難な(臨床上重要な)CQもあります。その際には、医療者自身が、提示されたSRでの評価、自らの経験と知識、患者の意思を統合し治療方針を決定することになるのではないでしょうか(回答:桃井講師)。

Q11. 医療事故調査制度とCPG。医療事故(死亡)が起きたとき、医療行為との関連を評価するに当たり、行われた診療行為の妥当性をみる資料としてCPGを使用することのメリットとデメリット。
A11. 医事訴訟で医療者は注意義務に対する責任と説明義務に対する責任を問われます。注意義務に関しては、その時点で当該の施設に期待される医療水準に対する注意義務と、対象とする患者の個別性に対する注意義務があると考えられます。CPGの推奨は、「その時点での当該施設に期待される医療水準」として参照するには一定の妥当性があると思われます。デメリットは、「患者の個別性」に基づく臨床家の判断の妥当性まで、一般論であるCPGを基準に司法的に判断されかねない点です(回答:中山講師)。

Q12. COIがとても重要なことを理解しましたが、解りやすいCOIの書き方がなく困っています。いくら以上の金額を利益として設定すればよいでしょうか?学会COIの提示にあたって、企業などの賛助会員はCOIにあたるのでしょうか?
A12.ARDS診療ガイドラインPart2のCOIの記事や、相原守夫先生のウェブサイトの記事が参考になるでしょう(回答:講師全員)。

Q13. MindsではAGREEⅡを用いて評価・選定を行っているとのことですが、Minds2007方式のものも採用されており、評価基準があますぎると思います。「すべて掲載対象とする。」という方針は診療ガイドラインの質の確保と逆の方向にいっているのではないでしょうか。2007方式は却下すべきではないでしょうか。
A13. 今後は、そのような方向と考えますが、現時点では移行期です。また、AGREE IIでの評価の場合、Minds2007方式でも適切に作られていれば、評価は高くなります。いずれ、AGREEⅢが公開されると状況は変わると考えられます(回答:中山講師・吉田講師)。

Q14. MindsがGRADEに近い方式を作成するということですが、今後ガイドラインを作成する場合はMinds2014とGRADEのどちらを用いるのが良いでしょうか。
A14. Minds2014でも、詳細な点まで注意して作れば、GRADEとほぼ同じです。ただし、海外の先生にも日本の診療ガイドラインを紹介することなどを考えると、GRADEアプローチが良いかもしれません(回答:中山講師・吉田講師)。

Q15. う蝕治療ガイドラインでは、利用者は「歯科医療従事者」とされており、「医療従事者の意思決定を支援するもの」とされていますが、これでは誤解が生じる(本日の中山先生の講演にあったevidence tyrannyを助長してしまう)のではないでしょうか?そのあたりをどのようにお考えか、教えていただきたいと思います。
A15.そのために、診療ガイドラインパネル会議に医療消費者も含めているため、主な利用者は、医療従事者ですが、医療消費者が読んでも良いと思います(回答:講師全員)。
「歯科医療従事者」が主な対象ですが、確かにこれに限定すべきではありませんね。教育における活用も重要ですから、この場合は学生も対象です。また、Mindsが奨めているように、一般の人々(医療消費者)を対象にした翻訳CPGの公開も重要であり、今後取り組むべき事項と考えています(回答:桃井講師)。

Q16. 診断・検査におけるGRADEの診療GLのアウトカムとシステマティックレビューの具体的な方策について示唆を頂ければ幸いです。
A16.相原守夫先生の教科書ならびに、コクラン日本支部が開催するワークショップを利用してください。また、尼崎総合医療センターで診断精度(DTA)の系統的レビューについてのワークショップを開催も行われております(回答:講師全員)。
私たちのGL委員会では、まず、相原守夫先生の「診療ガイドラインのためのGRADEシステム改訂第2版」の「第5章:診断検査へのGRADEアプロ―チの適用」を理解することから始める予定です。難解で解釈が困難な部分は著者ご本人への質問(勉強会)も考えています。私たちが、最も定かでなかったことは、診断と検査は医療者が情報を得る手段であって、その結果は一体、患者にとって重大・重要なアウトカムなのかというものでした。しかし、相原先生の本には、診断検査精度(感度・特異度)は患者にとって重要なアウトカムの代理アウトカムであると明言されているので、これを突破口にこれからSRを進めて行こうと考えています。(回答:桃井講師)。

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