認定分科会代表者 各位
日本歯科医学会
会長 江藤一洋
平素は、本学会会務運営に格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
さて、本学会では来年度事業計画において「歯科医療への学術的根拠の提供」を重点的に取り組むべき事業と位置づけ、歯科医学・医術の進歩発達を歯科医療現場に迅速に導入することを目的に、標記プロジェクト研究事業を企画、実施しております。これは、学術的かつ高度な研究成果を診療報酬改定時の新技術導入の際に求められる学術的根拠や、ガイドライン作成の一助とすることを主眼としております。
平成22年度は下記3つの研究テーマに基づく具体的な研究活動の推進、助成を図っていくこととし、今般、研究課題を公募する運びとなりました。
つきましては、本事業の趣旨をご理解いただき、下記プロジェクト研究テーマに基づく研究課題をご申請いただきますようお願い申し上げます。
<研究テーマ及び趣旨>
テーマA「高齢者医療における歯科保存治療技術・素材に関するプロジェクト研究」
在宅要介護者を含む高齢者の歯科診療では、楔状欠損歯の破折によってそれまで順調に義歯を使用していた患者が突然として高度の咀嚼障害に陥るなど、迅速な対応を迫られる場面が珍しくない。しかしこのような患者は、全身的な問題などから抜髄や抜歯等の侵襲的処置や多数回の通院が困難なことが多い。これらの患者への対応として、minimal intervention や有効で費用対効果のよい応急処置法の開発が望まれるが、現状では標準的な診療の術式が確立されていない。高齢社会における歯科患者のQOLの向上が求められる現在、このような場面に対応する技術や素材の開発・応用は喫緊の課題である。
そこで、本プロジェクト研究では、高齢者医療における歯科保存治療技術・素材の開発・応用を目的として、関連学会の集学的な研究成果をもとに、診療報酬の評価を得るための歯科保存治療技術・素材の新たな展開を目指す。
テーマB「非歯原性歯痛の診断・治療ガイドラインの策定に関するプロジェクト研究」
非歯原性歯痛、中でも筋性歯痛や神経障害性歯痛は、決してまれな病態ではないにもかかわらず、現状では歯科医師にその存在が十分に知られていないとともに、標準的な診断・治療のガイドラインがない。したがって、これらの症状を呈する場合には歯原性歯痛と誤診されて安易に抜髄の対象となることがあり、抜髄後も継続する難治性の歯痛から抜歯が選択されることすらあるが、抜髄や抜歯は痛みの根本的な解決策とはならず、患者はその後も長期間にわたって痛みに苦しむこととなる。日常歯科臨床の中でこのような医原性難治性疼痛の発症を抑制し、また発症した疼痛に対して速やかに適切な治療を行うことは医事紛争のリスク軽減にもつながり、エビデンスに基づく非歯原性歯痛の診断・治療のシステム構築は喫緊の課題である。
そこで本プロジェクト研究では、非歯原性歯痛の診断・治療ガイドラインの策定を目的として、関連学会の集学的なエビデンスを蓄積し、歯科医療における疼痛治療体系の新たな展開を目指す。
テーマC「摂食・嚥下リハビリテーションにおける診断支援としての舌機能検査法の確立に関するプロジェクト研究」
超高齢社会においては摂食・嚥下障害に対する集学的医療の展開が重要な課題となっており、この領域での歯科医師の果たすべき役割は極めて大きい。今般、舌接触補助床が保険導入されたことは、今後の摂食・嚥下リハビリテーションの発展における歯科医療への期待が大きいことを物語っている。このような状況の中で、摂食の準備期および口腔期において最も重要な舌機能の検査法については、未だ十分には確立されていないのが現状である。摂食・嚥下リハビリテーションにおいて歯科医師が関与する領域を拡大し、対社会的に摂食・嚥下リハビリテーションにおける歯科医療の関与の重要性をアピールするためにも、口腔機能検査に関するエビデンスの蓄積は喫緊の課題である。
そこで本プロジェクト研究では、摂食・嚥下リハビリテーションにおける診断支援としての舌機能検査法の確立を目的として、関連学会の集学的なエビデンスを蓄積し、摂食・嚥下リハビリテーションにおける歯科医療の関わりを更に展開することを目指す。
平成22年7月1日より平成24年3月31日
<研究費用>
総額 1400万円以内
<申請書及び各種報告書様式>
<その他>
詳細な応募方法等については、平成22年度プロジェクト研究費応募要領.pdf
をご参照ください。
このページの上部へ





















